NHK-BS で最近録った、『彼女を見ればわかること』を、見る。

伝説のガルシア=マルケスの息子だったとは今日まで知らなかった。

近作の『美しい人』に打ちのめされてから、そう時間を経ずにやっと辿り着く。

見なくちゃいかん、ということは前々からわかってはいたのだ。

『美しい・・・』とは違って、女優力が表に強く出ているために、演出云々・・・というものではないと感じる。

ホリー・ハンター登場の第二話を見て、充分に満たされてしまった。

自分が彼女に今迄あまり注目していなかったのは何故だろうと・・・

これはもう、クローネンバーグのクラッシュ(1996)を観て確かめるしかないな。



それと、華氏451も観た。

平屋の集合住宅(!?)や、フランスのモノレール実験線の可動ステップといい、高度にハイ・センスなレトロ・フューチャー映像に癒された。


・・・ここのところ低空飛行中。

些細な負担であれ、やはり塵も積もれば・・・なのである。

息子の成長が、今、我が家においては輝かしいまでに正しく麗しくて、それを横目になんとか繋いでいる感じ。

あぁ、旅がしたい。

どこがいいかなぁ。


でも、上野動物園の爬虫類館でも別にいいような気がしてきた。
Ray Parker Jr. と Ghost Busters
BSジャパンで水曜22時からやっている音楽番組をいつも録画して見ている。

なにかどこかで見たことがあるような顔をしたギターの達人がローテクで激シブにキメていたので、めずらしく番組HPで調べてみた。


レイ・パーカー・ジュニアだ。


・・・えっ、誰だって?


ビル・マーレーやダン・エイクロイドの、’84年の大ヒット作、ゴースト・バスターズのテーマソングを歌っている人ですよ~


・・・だから?


彼はその曲でかなり有名になったのにもかかわらず、なんとそのせいでヒューイ・ルイス(バック・トゥ・ザ・フューチャーのテーマソング等)に訴えられて敗訴してしまった経歴の持ち主なのですよ~


・・・はぁ?


もっとも華々しかった時期が、同時に汚点でもある、ってとこが、彼の強烈なシブさの、ブルースの脈動を生み出しているわけですよ~


・・・(興味ナシ)


っていうのも、ヒューイ・ルイスに断られたから、あの曲とソックリに、って頼まれてそのまんま頑張って作っちゃった、ってのに、さらにそこに悪ノリしてっちゃったとこが愛らしいじゃないですか~


・・・(不在)


で、やっぱり訴えられちゃうわけですけど、わかってて訴えちゃうヒューイ・ルイスは、やっぱり格好ワルイですよね~、あれ、聞いてないですね、って、どっかに行っちゃってるし、もう。





Pimp by 加州知事

2009年2月24日 日常
以前にも紹介したが、BS12で放送している Pimp My Ride 、今回はなんとA.シュワルツェネガー知事によるバイオ・ディーゼルのアピールの場となった。

ラダーフレームの古き良き頑丈さを隠し持った名車、インパラを素材に、トラック用6.6Lディーゼルをブチ込んで一丁あがり、という単純な構成。

「これで、今までの倍のリッター10kmは走れる!」、とご満悦な面々を横目に、我々は何を思うか?

午後6:30、水曜と金曜には再放送があります。

彼らを見て苦笑するも良し、しかし、兄貴の形見だから、と、42年前の車に乗り続ける若者がそこに居る。

さっさと車を取っ替え引っ換えする我々。

Let’s see the truth...
文化庁メディア芸術祭~リキテックス・ビエンナーレ
文化庁メディア芸術祭~リキテックス・ビエンナーレ
文化庁メディア芸術祭~リキテックス・ビエンナーレ
久々に疲れの残り過ぎていない土曜日、次週はまた時間に追われる土曜日・・・そういうことなら今日、行くしかないだろうと出向いた『文化庁メディア芸術祭』。

そもそも無料(納税者にとっては回収すべき投資)のイベントであるからして、そんなに期待して行くものではない。

ところがところが、着いてみたら長蛇の列。
いやぁ、不況なんだなぁ、と実感。

・・・しかし、とは言っても場違いな客層が来ているわけでもなく、やっぱり綺麗なお姉さんを連れた訳知り顔のお兄さん率が高かった。


で、色々と見て回ったのですが、空き缶が50年かけて朽ち果てるさまを描いたCGであったり、ストップモーションで見せるパフォーマンスアートだったり、幾つかスゴイなと思わせるものがありました。

そうして最後に辿りついたのが、多摩美大3年生、和田 永 氏の、USBコントロールド・オープンリールレコーダー WITH i-Pod を用いたパフォーマンス。

なんとテープにはソレノイドコイルによるヴァイブレーターが直接作用する仕掛けを追加してあって、面白くも懐かしい感じのサウンドが提供されていました。

i-Pod Touch の Wi-Fi 機能を用いての再生/逆再生/早送り/巻き戻し・・・を繰り返しつつ重ねつつ、なかなかのキレものぶりでした。

守備範囲かな、と思われる方は以下にアクセスしてみてはいかがでしょうか。

http://crabfeet.blogspot.com/



続いて、乃木坂で乗って表参道で降りて、青山通りを歩いて宇明家というラーメン屋さんで真っ当な味の一杯をいただいた後、アクリル絵の具メーカー、リキテックス主催のコンペを見にいってきました。
入選作のひとつに、知人が描いたものがあったからなのです。
これまた、無数のえぐった部分に配色して不思議な感覚を与える作品だったり、今風の緻密だったり編み物的な筆致のものだったり・・・色々と楽しめました。

ところで会場の2階は雑貨屋さんだったのですが、久々に面白いものを見つけて衝動買いをしてしまいました。

最近はコンビニでも輸入ものの小容量ビールが売っていますが、国産のものと違って栓抜きがなくては飲めないわけです。

ところが、鍵のようなサイズで携帯できる栓抜きを発見。

これさえあれば、『ああ、あれ飲みたい!』と思っても我慢する必要がなくなるわけです。

さてさて、どうなることやら。


のんびり過ごした正月、巣ごもり消費な世の中そのままに、ロフトの新春セールで買い求めた品は上記のとおり。

押し込まなくてもはめられるのに、傾けても落ちない工夫がなされているふた。

注ぐ際に熱湯を噴き出させないための空気穴も当然にあるもの。

この2点を充足する条件を備えたものを、と探してみると、なんとたった一つしかなかった。


続いて、焼酎の水割りを飲む時に使おうと探したのは、水切れのよい、これまたたとえ氷の重みがのしかかってもはずれないふたを備えたピッチャー。

こちらは球形のティーポットが条件に該当し、結論となった。


この間、ウェッジウッド破綻のニュースに驚いて思い出したのだが、我が家にはカミさんがいただいてきた、ノリタケのマグがある。

トトロのイラストが売りな商品なのだが、それよりも直接カップに触れないようにデザインされた、リング状の取っ手(間には空間が存在する)が魅力で、愛用している。

大勢のひとが日常的に長いこと使い続けてきた道具でさえ、ちょっと考えれば当たり前なことが、ぜんぜん徹底されていないのだ。

それは特許にまつわる不可侵が成させたワザなのではなく、コストが合わないからという消極的決心が招いた製品標準の低下なのだ。

例えば、最新ツールである i-Pod Touch を購入して、充電端子カバーゴムが、なぜケータイでは当たり前の伸縮機構になっておらず、はずし切りで紛失の危険に常時さらされているのか、という理不尽にガッカリした方も多いだろう。

『極限までサイズ効率をつめたからだ!』、と、林檎ファンは右手を挙げて反論されるかもしれないが、使ってナンボの商品作りにああいう判断を組み入れることはユーザー不在の殿様商売をしていることの証左である。


・・・と、年寄りクレーマーじみた告白を書き連ねてきたましたが、こればっかりは直しようもないと諦めております。どうぞよろしく。

draggin’ on TV...

2008年12月29日 日常
いつ振りだろうか。

やっとのことで、この自分に向き合える場に帰ってきた。

明日からの3日間、会社には出勤する予定だ。

そう、何事も先のことは勝手に決められない、『予定』という言葉でしか言ってはならないのだ。



それはさておき、世の中の転落ムードに歩調を合わせるかのようにして辿り着いた今日までの数ヶ月、締めくくりにしたいものの、したことと言えばダラダラとテレビを見るばかり。

しかし、市川昆に引き続いて見た羽生さんの敗北の裏側、イギリスの高級列車、コスタリカの自然の多様性、有馬記念の牝馬の勝ちっぷり、イラン革命がイスラエルにもたらしたF-16の購入チャンス・・・

あぁ、テレビって面白いかも。






読みたくて手元にため込んだ本を少しずつ解き放ちながら、これまでに遭っていて書き残していない奇異なあれこれを、書き連ねる作業を明日から始めてみようと思う。
「合衆国には、2種類の黒人がいる。」とは、コリン・パウエルの談。


自ら望んで、夢と希望を胸に北米大陸にやってきた黒人と、その子孫。


無理矢理連れてこられ、困窮生活を強いられた黒人と、その子孫。


まだなのだ。


しかし、彼はきっかけ、では、ある。


そう遠くない未来に、旧・二級市民階層ファミリー出身の大統領の誕生が、実現するであろう。


・・・しかし、なおしかし、ネイティヴ・アメリカンの飛躍は兆しさえ見えず・・・


アメリカ合衆国とは、なんと複雑な国家であろうか。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ただただ自分が大統領になりたいマケイン(そうすることによって、軍人としては失格、と見なされた超エリート軍人家族に生まれた彼はやっと尊厳を取り戻せる・・・)ではなく、大統領になってから、あんなこと、こんなことを実現させたいという言葉にリアリティーのあったオバマが当選するのは絶対的に明らかな展望であった。

だからとは言え、やはり祝杯を挙げる気にはならなかった。

なにかが物足りない。

音楽を通じて、アメリカ合衆国とその国民の姿を身近に感じながら長いこと過ごしてきた私だが、このような話題について意見をぶつけることのできる友人が最近身近にいないことが悩みである。

だからなのか、矮小で利己的な太郎くんの声明に対し、呆れるを通り越して絶望すら感じてしまった。

ニュース映像にチラリと映ったジェシー・ジャクソンの表情には感慨を憶えた。

歓喜に湧きあがる・・・などとは正反対の、不安と心配で一杯の困った表情。

問題は根深いのだ。
待つこと1年と11ヶ月。
ついにこの日がやってきた。

並ばなくとも買える日が!


・・・そもそも、並んでまでして買うものではないのだ、ドーナツは。

一時期ブームに沸いたラーメンでさえ、多少並んでまでして食べても、勇気を出して高い一杯を選んでも、決して我らの期待に応えてくれたことはなかったではないか!

それでは、なおのこと、である。

ふらっと寄って、何気なく口にしてこそのシチュエーション管理が、正当な評価には必要なのである。


・・・で、


レジまでの、ほんの数メートルを待つ間に手渡された揚げたてのオリジナル・グレーズド、これがフワフワで本当においしかった。


結局わかったのは、さんざん並んでからコレを口にした方々は、さぞかし・・・



さてまた、ウチに帰ってきてから数時間後、冷え切ったドーナツをひとくち。

・・・やぁっぱり、できたてほかほかが最高なのである。

たぶん皆さんは、おみやげとして買いたくて並んでるのではないのです。

並んでいる時にお店のスタッフから手渡される、愛のこもった(ように信じられる)あつあつの出来立て無料ドーナツを頬ばる感動を再び味わいたくて、あの舞台装置に引き寄せられるのだということがわかりました。
今日は仕事を休んでいる。

・・・(本当は休むべきでない日に休んでいるので、ものすごく休んでいる、という表現がしっくりとくる。)

朝の番組(しゃべらナイト再放送)で、アッコさんがレイ・チャールズと10年ぐらい前に共演した話をやっていて・・・



まぁ、とにかく、休みなもので、恒例の部屋の片付けでも、と。


古いカセット(もはや古くないものはないのだが)が出てきた。


『 Quincy Jones Live in Switzerland ’91 』

・・・とある。


おぅっ?


かけてみる。


『 From Be-Bop to Hip-Hop! 』 の掛け声のもと、編纂されたメンバーだということがわかった。

アル・ジャロウが音楽の歴史をノービート風に説明する。

クール・モー・ディーやメリー・メルが、かわるがわる縦横無尽にラッピン、あるいはアフリカン・チャント風にアクセントを加えながら、ソウル風、ヴォイスパーカッション等、(黒人)音楽がプリミティヴな情動から醸成されつつ今に至るという概要が聴きつつわかってしまうという構成。
途中、ジョージ・ベンソンのウェスモンゴメリエイションと共にスキャットのユニゾンあり。
も~たまらないっす。
最後はトゥーツ・シールマンスのハーモニカも飛び出し・・・

マイルスが過去を清算して死んだ’91年に、こうしてちゃんとクインシーの手によってJazzに引導が渡され、Hip-Hop の Old-Schoolers に(黒人)音楽の主導権がまさに受け継がれていたというドキュメントに驚愕した。

・・・そうこうしているうちに、次はレイ・チャールズのステージに。

チャカ・カーンとの共演だ。

そして、裏面には大好きな’91年のスティングのバンド。

フランス語でのメンバー紹介から始まる。

もちろん1曲目は『 All this time 』だ。

ここではドミニク・ミラーがアコースティックなアルペジオで音出ししている。

あぁ、やっぱりストラト(フェルナンデス製)ではない。

これもこれでいいではないか。


今日は17年前に17歳だった自分に感謝!
先日、日帰りで福岡まで行った。
テイストがマイルド路線、ということで、『やまや』ブランド、しかも買い得の切子をチョイス(和モノの説明なのにカタカナ多用しすぎ)。

で、賞味期限が迫ってきた昨夜、残った2切れをどうしようかと。

そこで同じく期限迫る絹ごしを用いて白和えに。

それをディップとしてキュウリで食べることにしてみた。

苦し紛れにしては上出来だったと思う。

ところでそんなことより、福岡の地下鉄には、まだ(個人的に)解決できていない謎が!

きっぷの自販機には、『当日のきっぷなら、間違えて買っても、自販機に挿入し直すだけで払い戻し or 買いなおし出来る』システムが完備されてた。

韓国、中国からの観光客が多くて対応に困っているのかとも考えたが、他国語のインストラクションは無し。それでは、ケッタイなオバチャンが窓口に押しかけるケースが多いのだろうか?

この件についてご存知の方、出来ればコメント入力をお願いいたします。
『ショーシャンクの空に』や『マジェスティック』がわかる人におすすめします。
私は軍国主義者ではないが・・・



詳しいことは、ほとんど何も報じられていない。

・・・が、

①エジプト政府は、身代金を一切払っていないと言っている。

②軍事作戦が実行されたことを認めている。

③人質全員が、無傷で救出された。

・・・ということから、色々と考えてしまうのである。



金銭での解決は、双方に多大な緊張を生じさせる。

犯人サイドでは、交渉が難航した場合に備えて、勢力を二分させて、それぞれが手薄な(つまり殺気立った緊張にある)状態で対決に臨むものだ。

その場合、少なからぬ人質の犠牲が生じやすい。
『より危険なチーム』に入れられたとの不満を持つメンバーが、短絡的な行動に出やすいからだ。


今回は、圧倒的な戦力差により、犯人サイドの不意を突いて一気に解決がなされたと見るのが妥当だろう。

なぜエジプト政府はそこまで腕をまくって意地を掛けて救出作戦に出たのか?



ドイツにも、イタリアにも、こういった事態に活躍できる優秀な部隊が組織されている。

たとえ彼らが現地に進出し、実際に作戦に従事したにせよ、あるいはそうさせたくないなら自分の手で何とかしろと迫られたに過ぎないにせよ・・・

やはりそのような即応力を有していることが、強大な交渉力に繋がっていると見ても、あながち的外れでもないだろう(と思う)。



・・・欧州の一級国の国民からすれば、ごく自然な捉え方のはずだが、こと我々の国でこのような発言をすると・・・


国民を大切にしない中国等のニュースに接すると、『あんな国でなくて良かった』と思う人は多い(私を含めて)。

でも、

本当にこの国は国民を大切にしていますか?

国ではなくて、企業が懸命に守っている建て前が、人々の善意的なものを具現化しているに過ぎないのではないか、と思う。
中ほどまで来て、これはSFではなくFantasyだったことがわかり少しがっかりしたが・・・

本作には急速に宇宙開発を推し進める中国が、国際世論をものともせずに大胆な行動を仕掛け、木星の衛星のひとつで領有権を主張する、という記述があった。

なんだかなぁ。
結局行けなかったのである。

とは言え格好が付かないので、タイトルだけはそれらしく。

ありがたいことに今、BSの3チャンネルで『36分間の奇跡』(スライ本人の登場時間)が放映されている。

ラリー・グラハムのいないSLY&THE FAMILY STONEなんて、聴きに行く意味ないじゃん、と強がってはみたものの・・・

今こうして、ベーシストがちゃんとグラハムのパートを歌っている様子を見てえらくホッとしている。

さぁ、スライが出てきたぞ!

しっかもFAMILY AFFAIR で本人が歌ってくれている!

あっ、立った、立った!
(クララが・・・ではない!)

ぅ~ん、最近の殿下のライブのようにJAZZYなテイストのアレンジに突入ーっ!

ほんっとに、ほんっとに格好いいです。

あ~っ、SING A SIMPLE SONG を一生懸命歌っているじゃな~い。

本当によく、本当によくぞ帰って来てくれました。

あなたという人が、私の生まれるよりも前にたしかに存在していて、私たちのために素晴らしい世界を用意してくれていたということを現実の厳正なる事実として実感することができました。

音楽ってものは、本当に素晴らしい。

最近、色々と忙しい毎日が続いているけれど、元気が出てきました。
さあ、あと1日。
頑張ってみよう。

IF YOU WANT ME TO STAY を聴きながら・・・
タイトルを打ち込んだ時、最後に『 。』を付けるかどうか。

かつては、付けないことにしていたような。

いいや、なるべく付けることにしていたよーな。



もう、わかりません。



同じように、答えの出ないまま幾歳月。

なぜ、HAL は乗組員の殺害を決心したのか。

この間の休みに、ふと、またその考えが。

・・・すぐに掴めそうなほど自分の近くを、ウョウョとさまよっているような気がしたので、再見。



<参考情報>
①異星人探索が実目的であることが、HAL には知らされていて、乗組員には知らされていなかった。

②任務の遂行が、HAL の最重要義務であり、義務を果たすことに自分自身の存在意義があるとプログラムされていた。

③その『存在意義』の価値を認識しているAIメモリーを、破壊・・・取り外してしまおうとする乗組員の攻撃・・・から物理的に守る手段を、HAL は持っていない。


<必然的に生じる疑問(あるいは質問)>
a.その任務の遂行に、乗組員は必要なのか、不必要なのか。

b.乗組員の生還と、HAL が獲得したデータの生還との、一体どちらが地球に残る人類にとって重要なことか。

<(答え)>
『b.』の問いに対し、経験者の観念的記憶よりも理論的に信頼できる、HAL のデータのほうがより重要である、という冷徹な結論を導き出すのであれば、『③』の条件から、任務を確実に果たすためには、事故的要因から発狂に至るかもしれぬ乗組員をのさばらせるわけにはいかず、自らを守るために殺害を決心したということになる。

<(あれ?)>
作業ポッドを帰船できぬよう締め出したHAL だったが、作業ポッドで物理的な攻撃を仕掛けられたら自らの存在が危うくなる、という危険な場面を作り出してしまった。
すぐに出力を上げて宙域を脱するべきだったのだが、そんなそぶりを見せてから動き出しても、充分に安全を確保できる機動性が、あの大きな船に備わっていたのだろうか。
なるべく無駄な燃料は消費しない、そのことを念頭において、ボーマンが無謀な行動に出る可能性を想像できず、みすみすチャンスを与えてしまったということだろうか。

・・・以上、お付き合いいただき、ありがとうございました。
今朝の日経の2面の下段に、北方謙三の新作の広告が(結構大きく)載っている。

氏については、単にハードボイルド作家だということくらいしか知らない。
が、どこかでよく見かけるからなのか、なぜだかその顔はよく知っているような気がするのだ。

で、いつものようにタイトルより大きな氏のポートレートが広告で存在感を主張するパターン。

まずパッと見でクスッ、としてしまう。
見ているこっちが恥ずかしい・・・

・・・のは何故だろう、と、今日初めて考えてみた。

照れくさく、恥ずかしがって写っているように見えたその表情を、あらためてよく見直してみる。

・・・なんと、自信たっぷりにこちらを睨みつけているではないか!

自信・・・自分の容姿に魅力があると認識していて、それをしっかり利用するんだ、という意識を制作サイドみんなで共有しているさまが見てとれる。

ひどく滑稽な感じがする理由はそこにあった。

人間は表情を読み取ることに神経を集中させながら暮らしていて、本質的にものすごく研ぎ澄まされた能力を持っている、と、最近読んだ本に書かれていた。

・・・ので、私の感じ方も間違いではない、ということにしておこう。

今日の鴨志田さん

2008年9月2日
個人的な思い込みだが、戦場リポートばかりやってきているNHKの鴨志田さんが、今日はベネチアからのんびりとコメント。
なんだか彼にポニョのことを喋られても、まったく違和感ばかりで金獅子賞なんてどうでもいい感じがしてしまった。

そして今、『9.11』当日を描いたドキュメンタリーがBS1で放映中。

見ていて初めてわかったことが1つ。

当日、われらがミスター・コリン・パウエルが国外滞在中であり、事件後初めての閣議に情報不備なままようやっと間に合ったのだったということ。

チェイニーとアーミテージ、そして悪の権化ラムジーの暴虐が期待通りに描かれる。
あまりに型どおりなので、本当は違ってたのではないかと思えるほどの番組造りである。

そしてラムジーは、さんざん駄々をこねてまんまとCIAの指揮権を奪い取ったものの、アフガンに実戦部隊を投入できたのが10月19日。

もはや遅きに失し、カブール陥落の戦果も空虚なものであったようだ。

しかし米国民は歓喜に湧き上がり、ブッシュジュニアの支持率は急上昇。

調子に乗った彼はゴールデンタイムに設定した記者会見でフセインの名を語る。

親父の仇討ちである。


・・・こうして書いていると思うのは、ほんの何年か前の出来事も、実はあんまり覚えていなくて、史実を折り重ねる仕事というものは本当に大変なことなのだなと感じる。

結局、話の結びとしては、CIAを毛嫌いするチェイニーと、戦争をおっぱじめられれば何でもいいラムジーのベクトルが悪い方に重なり、拷問による自白という、脆い藁のようなものにしがみついていったということだ。

パウエルは直接ブッシュに進言するもかなわず、ラムジーによるグアンタナモの地獄の拷問大会が・・・すでに移動時からそれは始まっていた・・・大盛況となるのである。

当時のラムジーのスピーチをする表情は本当に恐ろしい。

下手なホラー映画キャスト顔負けである。

ライスもさすがにヤバいと感じ横ヤリを入れるも、簡単にあしらわれてしまう。

さらに、四つ星のフランクスの作戦観にさえ口出しを抑えないラムジー、とどまるところを知らず、というところで今夜は終了(全4回)。

・・・さて、かの鴨志田さんも、このドキュメンタリーを見ることがあるのだろうか。

さんざん危険な目に遭ってきたのは、ラムジーを始めとする彼らの所為である。はたしてどんなことをおっしゃるか。

最近は本ですね。

2008年8月25日
強迫観念的に捉われてしまって懸命に脳内の本棚を埋めることに没頭しています。

ところで、Amazonのレビューが使えずにイライラしていたところ、昨日付けの管理人さんの更新に、なんとゼロからプログラム作業をやり直しており、近日アップするとの知らせが。

朗報ですね。

まぁとにかく、書き残しておきたいので勝手に書きます。

・彩図社『地獄のドバイ』
経営者は自分の都合で自社の社員を監獄に放り込めるという、実は相変わらずの危険国家ドバイから奇跡的に生還した若者の手記。
本当に怖い。やっぱりイスラム圏に例外はないようだ。

・角川文庫『新版 悪魔の飽食』
まさに今更ではあるけれども、やっぱり日本人として知っておかなくてはならない事。
敗戦記念日の前後で古本屋さんにて。
やっぱりU-30な世代の99%は全然知らないだろうね。

・久住昌之&谷口ジロー『散歩もの』
懐かしの日本女子大近辺の目白の急坂描写ありの力作。買ってよかった。

・岩波ジュニア新書『アフリカのいまを知ろう』
研究者の結論そのものが『アフリカはどうしようもない』という前提からスタートして、それでも多面的に考察を深めていく力作。
まだ読んでいる途中。

・文春新書『不許可写真』
貧弱な装備で中国やロシアの列強と戦火を交えることを強要された陸軍歩兵。しかし軍部自体が自軍兵力の貧弱たることをまさに深刻視していたからこその検閲。
実は当時にも従軍していた記者達の命がけの写真から見えてくる現場の心境は、正義感にかられたマグナム所属の記者たちのそれとは明らかに違う。
彼らは誰に何を伝えたかったのか。
こちらもまだ読んでいる途中。

・元IY社員 大久保恒夫『また一歩、お客様のニーズに近づく』
何度も使い古されているとはいえ、敏文メソッドはどうも気になって手にとってしまう。
こちらは借り物。

・『BRUTUS/J-POP特集』
かしゆかは可愛いのかなんなのか気になってたので購入。
久々に読んだらスゲー浅いBRUTUSに幻滅。
ちょっと前は結構読んでたのに・・・(恥)
→最近、編集長替わってたのね。

・集英社『STEEL BALL RUN/第16巻』9/4(木)発売
→待ち遠しい。

       ↑
  (今日の日記のオチ。)

Play Back 1989

2008年8月20日
http://jp.youtube.com/watch?v=MV53VMLHmH8&;feature=related

先日に続いて廃盤CDの入手に成功し、内向的な日々に突入してしまった。

上記のようにyoutubeでいつでも見ることができる時代にはなったのだが、音が美しくなければ19年前の夏はただの昔。

さぁ、明日はどっちだ。

LIVE AT TOKYO JULY 31.1988

2008年8月16日
(個人的な音楽にまつわる記録でしかありません。)

http://www.jgarage.com/index.php?main_page=product_info&;cPath=239_300_304&products_id=7503&zenid=31576050e28e5d761e39e15dda99db67

消えた2ページ、あるいは欠けた2ピースが、我が人生に戻ってきた。

昨年の10月30日から登録されていて、それに気付くのに10ヶ月近くかかったものの、長らく捜し求めていた20年もの歳月に比べればなんてことはない。

中学2年生の夏、FM東京の特番をラジカセにかじりついて録音していた僕は、マイルスがバリバリの現役であることを知らなかった。

「(今ここでカセットをひっくり返したら、番組を最後まで録れなくなるなぁ。)」と思い、そのままにして始まった1曲目の『PERFECT WAY』・・・ケニーが冒頭で吹き損じたことなどあっというまにかき消されてしまう好演。

あっけにとられたままなだれ込んだ2曲目の『THE SENATE』は、自分の曲を存分に楽しんで弾くフォーリーの長いソロにより途中でテープのA面が終わってしまった。

続く『WRINKLE』と『HEAVY METAL』はしっかり録れたものの、それは何の安心ももたらせてくれなくて、ただただ、なんと恐ろしい音楽集団がこの世に存在していたのかという戦慄に頭が真っ白になって呆然としていた。

・・・その後すぐにスタジオ録音の内容を確かめるも、まったく興味をそそられない低体温な代物ばかり。

そうこうしている間も、マイルスはステージ上でどんどん先を行ってしまう。

その後、2万円のチケット代で、できたばかりのジャズクラブにマイルスが来るというニュースを耳にするも、15や16の小僧が払える金額じゃなく。

そして夏休みが明けてしばらくした高校2年の9月の終わりに、NHKの朝のニュースを見ていた弟から、兄ちゃん、と声を掛けられる。

ついに会えることなくマイルスはこの世を去ってしまった。

そして今日、私の人生を変えたあの日の演奏のコンプリート版が我が家に届いた。

途中でテープが途切れてしまった『THE SENATE』に加え、『ME AND YOU』や『HUMAN NATURE』も加えて。

こうして書いている今、まさに『HEAVY METAL』のラストを迎え、マイルスが「そろそろヤメたほうが良さそうだな。」と喋る声が聞こえている。

格好よく物事を終えさせる、その心意気が大事なのだと学んだのを思い出した。

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