地下鉄Talking
2007年3月15日予定調和なTVドラマなんか見てるよりは、やっぱり最終電車に乗ってるほうがよっぽど面白い事に出会える。
今夜のキャストは、飲食店経営の二人。
片方は男、40代後半。白髪の割合の方が多くなってしまった痩せ気味なタイプ。
そしてもう一方は背の高い女性、30代半ば以降。ショートのソバージュが、本人の雰囲気が醸し出す違和感さを端的に表現している。
M「・・・やっぱりお客さんが満足してるってのが伝わってくるんだよ。もう少し肉の量を増やしてさ・・・」
F「・・・だから原価率がわかってるかって言ってんの。ちょっとぐらいとか曖昧なこと言ってないで数字で言ってみせろよ!
この間だってパソコンで幾ら×幾らでどうなってるってちゃんと説明してみせたじゃんかよ。どうなんだよ、幾つだよ、あのメニューの原価率。」
M「・・・利益もなにも売り上げがあってこそじゃないか。確実に売り上げは上がってるんだから。」
F「何言ってんだよまったく。利益=原価率じゃんかよ。だから原価率幾らなんだっつってんだよ。」
M「・・・だからあと50円くらいさ・・・」
F「ふざけんじゃないよ、幾らの内の50円だよ。1キロ幾らの素材で考えてんだよ。」
M「・・・そりゃ採算の取れる範囲でさ・・・」
F「だから幾らの素材だったら採算取れるのか解ってモノ言ってるのかっつーの。1キロ幾らで計算してんだよ、ハッキリ言ってみろよ。」
M「・・・1000円。」
F「1000円?
・・・で、それに幾らと幾らを掛けて最終原価ハジキ出してんの?
計算の仕方ちゃんとわかってる、言えるの、言えないんじゃないの?」
M「・・・わかんないよ。」
F「わかんない?!
なんなんだよそれ、店主のアンタがそんなんでさ。店始めてもう半年だよ、それだけじゃない、もう10年はこの仕事やってんでしょうが。アンタがそんなんわかってなくてどーするのよ。この間だって説明してたって画面ボーッと眺めてるだけでさ、こっちが式入れて表にしてやったって全然頭に入ってないじゃない。」
M「そんな式なんて聞いてないよ。」
F「何度も何度も説明してあげてるじゃない、全然わかってないんだ。だから○○が言ってたことだって聞いてるようで聞いてないわけだ。」
M「・・・」
「・・・ただ献立の内容を考えてただけなのに・・・」
そんな調子が延々と続いて約15分、やがて二人が降りる駅がやってきた。
7人掛けベンチシートのほぼ真ん中に座っていた二人。
停車してドアの開く音が聞こえた瞬間、まるで申し合わせていたかのように、互いに反対の方向に顔を向けて立ち上がった。
別々のドアから降りるために。
・・・恐らく同じ改札を通って、同じ玄関のドアを目指す二人なのだろうが。
生きてゆくって大変だ、本当に。
今夜のキャストは、飲食店経営の二人。
片方は男、40代後半。白髪の割合の方が多くなってしまった痩せ気味なタイプ。
そしてもう一方は背の高い女性、30代半ば以降。ショートのソバージュが、本人の雰囲気が醸し出す違和感さを端的に表現している。
M「・・・やっぱりお客さんが満足してるってのが伝わってくるんだよ。もう少し肉の量を増やしてさ・・・」
F「・・・だから原価率がわかってるかって言ってんの。ちょっとぐらいとか曖昧なこと言ってないで数字で言ってみせろよ!
この間だってパソコンで幾ら×幾らでどうなってるってちゃんと説明してみせたじゃんかよ。どうなんだよ、幾つだよ、あのメニューの原価率。」
M「・・・利益もなにも売り上げがあってこそじゃないか。確実に売り上げは上がってるんだから。」
F「何言ってんだよまったく。利益=原価率じゃんかよ。だから原価率幾らなんだっつってんだよ。」
M「・・・だからあと50円くらいさ・・・」
F「ふざけんじゃないよ、幾らの内の50円だよ。1キロ幾らの素材で考えてんだよ。」
M「・・・そりゃ採算の取れる範囲でさ・・・」
F「だから幾らの素材だったら採算取れるのか解ってモノ言ってるのかっつーの。1キロ幾らで計算してんだよ、ハッキリ言ってみろよ。」
M「・・・1000円。」
F「1000円?
・・・で、それに幾らと幾らを掛けて最終原価ハジキ出してんの?
計算の仕方ちゃんとわかってる、言えるの、言えないんじゃないの?」
M「・・・わかんないよ。」
F「わかんない?!
なんなんだよそれ、店主のアンタがそんなんでさ。店始めてもう半年だよ、それだけじゃない、もう10年はこの仕事やってんでしょうが。アンタがそんなんわかってなくてどーするのよ。この間だって説明してたって画面ボーッと眺めてるだけでさ、こっちが式入れて表にしてやったって全然頭に入ってないじゃない。」
M「そんな式なんて聞いてないよ。」
F「何度も何度も説明してあげてるじゃない、全然わかってないんだ。だから○○が言ってたことだって聞いてるようで聞いてないわけだ。」
M「・・・」
「・・・ただ献立の内容を考えてただけなのに・・・」
そんな調子が延々と続いて約15分、やがて二人が降りる駅がやってきた。
7人掛けベンチシートのほぼ真ん中に座っていた二人。
停車してドアの開く音が聞こえた瞬間、まるで申し合わせていたかのように、互いに反対の方向に顔を向けて立ち上がった。
別々のドアから降りるために。
・・・恐らく同じ改札を通って、同じ玄関のドアを目指す二人なのだろうが。
生きてゆくって大変だ、本当に。
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