10年前の本。

2006年4月10日 読書
まだまだ知らないことが、たくさんあったんだな、と思い知らされた。
1.合衆国にいる黒人は、大きく2種類に分けられる、ということ。
A・・・他の植民地国の奴隷だったが、合衆国よりも先に解放されたため、自由人として移民してきた。フロンティア精神を持ち、積極的に事業に取り組み、上手く行かなかった者は帰国し、成功したファミリーを中心に居留することとなる。
つまり、自分たちがここ(合衆国)にいるのは、先祖が希望を持って自らの意思でやってきたからなのだ、と認識している。

B・・・合衆国において解放された奴隷。自分たちがここ(合衆国)にいるのは、先祖が無理矢理連れてこられたからで、今もこんな苦しい生活を強いられているのは、そのせいなのだ、と国家を恨んでいる。

パウエルさんはAのケースだ。ジャマイカは英国領だったが、合衆国に較べて一世代分早く解放が行われたらしい。

2.軍隊における差別撤廃宣言は民間一般よりも早かった。
・・・1947年、か1948年に、時の大統領が署名していたらしい。
あくまでも個人の能力評価をもとに、昇進できるシステムがそこにあったということ。
もともとNYの移民街で、黒人抑圧の被害に遭わない青年期を過ごしてきたパウエルさんにとって、軍隊は格好の舞台だったようだ。

まだまだ半分読み終わったところだが、この本、かなり面白い。

・・・個人的に思うことだが、ユダヤ人解放のためと銘打って、打倒ヒトラーというお題目でヨーロッパ戦線に加わったかのように見える合衆国が、自らの国内の差別・抑圧慣習に目を向けたのは、それから25年ほど先になる、という歴史。
なんだかなぁ。

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