カンゾー先生を見た。
2006年2月22日 映画
この映画では、コメディータッチな展開にするために、柄本明扮する町医者が、診る患者、診る患者をみな「こりゃ肝臓炎だ。」と言って回る。
いかにもこれはヤブだな、という印象を冒頭から刷り込まれてしまうのだ。
もちろん最後まで見ていれば、決してそんなことじゃない、という認識に行き当たるのだが、いい加減に流していると誤解したままになってしまいそうなくらいの演出だ。
・・・が、しかし、実のところ当時の衛生状況はどうであったのだろうか。
つまりこの映画の舞台もそうであった。
たしかにその辺の描写はあったぞ。
・・・まぁ、医学的に認識されるようになってからだから、昭和20年台以前ではなくて、30年代以降ということになるのだろう。
あれ、この『カンゾー先生』は、ウィルス感染性であることがわかっていながら、バンバン注射を繰り返して、かえってこのひとが感染を拡大させてたってこと?
・・・やはりそういうことか。
なんか、こんなことなら、かえって調べない方が良かったかもなぁ。
でも、映画自体は、とっても面白かったです。
はじめから終わりまで目を離せない展開で、少し長いけど、見てたその時間を無駄にした気にはちっともなりませんでした。
さして見なくてはならないような必然性はありませんが、見ておいて損はない映画です。
いい映画でした。
※引用 社団法人日本肝臓学会 肝がん白書 第1章
いかにもこれはヤブだな、という印象を冒頭から刷り込まれてしまうのだ。
もちろん最後まで見ていれば、決してそんなことじゃない、という認識に行き当たるのだが、いい加減に流していると誤解したままになってしまいそうなくらいの演出だ。
・・・が、しかし、実のところ当時の衛生状況はどうであったのだろうか。
日本人の肝硬変、肝がん患者の出生年を調べた報告によれば、そのピークは1920〜1930年にあるという。
この年代に出生した人々の青壮年期は1940〜1960年代にあたる。
つまりこの映画の舞台もそうであった。
この時代の日本は第2次世界大戦、敗戦後の復興期であり、結核、消化性潰瘍を始めとする多くの疾病に見舞われ、手術、輸血などの治療を余儀なくされている.また、社会的背景より経静脈的覚醒剤(ヒロポン)のまん延も記録されている。輸血、経静脈的覚醒剤の使用はC型肝炎感染の主要な感染ルートである。
たしかにその辺の描写はあったぞ。
日本には,昭和30〜40年にかけ肝炎の地域特異的集団発生が報告されている。
・・・まぁ、医学的に認識されるようになってからだから、昭和20年台以前ではなくて、30年代以降ということになるのだろう。
鎮痛剤、解熱剤や栄養剤を中心とする静脈注射治療の風潮が強かったことと、医療機関での不充分な滅菌や消毒の器具を用いての医療が、血液を介して感染するC型肝炎ウイルスを拡散させた結果となっていることは否定できない。
あれ、この『カンゾー先生』は、ウィルス感染性であることがわかっていながら、バンバン注射を繰り返して、かえってこのひとが感染を拡大させてたってこと?
このような事例は他の先進国にはほとんどみられていない。現在の日本におけるC型肝炎由来肝がんの増加に、これら地域の存在も無視するわけにはいかない。
・・・やはりそういうことか。
なんか、こんなことなら、かえって調べない方が良かったかもなぁ。
でも、映画自体は、とっても面白かったです。
はじめから終わりまで目を離せない展開で、少し長いけど、見てたその時間を無駄にした気にはちっともなりませんでした。
さして見なくてはならないような必然性はありませんが、見ておいて損はない映画です。
いい映画でした。
※引用 社団法人日本肝臓学会 肝がん白書 第1章
コメント